東芝事件総決算という本を読んだ。

この本で読んで一番強く思ったことは、

いろんな手を使って、合法的に、悪い実態をうまく隠せたとしても本当にそれは一時しのぎで、かえって適切な判断を下す時期を逸して、とんでもなく傷口を広げることになる、

ということ。

会社を経営するというのは、きれいごとだけではいかないと思うけど、私情をはさまずシステマティックにすすめたほうが、結局はうまくいくものなのではと感じる。

では、どうして一時しのぎが横行するか。それは、それで逃げ切って助かる人がいるから。

オーナー企業だと、一時しのぎしても未来の自分に危機がのしかかるので抑止力が働く。サラリーマンだと未来は自分は同じ立場にいない可能性が高いので、一時しのぎを行う動機が発生する。


ウェスティングハウスによるS&Wの買収は誰のアイデアだったのだろう。デューデリジェンスの責任は発生するのだろうか。

会計処理的には、S&Wの引き当てはいつであるべだったかということが争点になるが、早期に引当すべきだったとは、経営陣は意地でも認めることができないだろう。

だって、買った直後にわかっていたのなら、なんで、そんな巨額の負債を抱えている会社をかったのかと、株主から責められることになるから。